Linux Kernel 3.x/2.6 Documentation:
/usr/src/linux/Documentation/memory.txt
memory.txt
Linux システムにおけるメモリ関連の problems
[プレインテキスト版]
- 原著作者: Unknown
- 翻訳者: 中谷 千絵 <jeanne(a)mbox.kyoto-inet.or.jp> 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
- バージョン: 2.6.5
- 翻訳日時: 2004/04/11
Linux システムには、メモリに関連した古くからの問題がいくつかあります。
1) 16MB 以上のメモリを正しく扱うことができないバグを持った
マザーボードがあります。お使いのマザーボードを交換する
ことを検討してください。
2) ISA バス上では、16M 以上のアドレス空間に DMA (Direct
Memory Access) を割り当てることができません。Linux の
デバイスドライバのほとんどは、この問題を回避するために
バウンスバッファを使用できるようにしています。16M 以上
インストールされていると、バウンスバッファを使用しない
ドライバは不安定になります。バウンスバッファを使用する
ドライバは正常に動作しますが、ややオーバーヘッドがある
でしょう。
3) 一定のメモリ量を越えるとキャッシュしないマザーボードも
あります。このようなマザーボードをお使いの場合、その
システムは、メモリを追加するほど速くはなるのではなく、
「遅く」なってしまいます。お使いのマザーボードを交換
することを検討してください。
これらの問題は全て、"mem=XXXM" というブートオプションで対応できます
(XXX には、使用する RAM サイズをメガバイト単位で指定します)。実際に
インストールされている量よりも少ないメモリしか使わないように Linux に
指示することもできます。
カーネルにオプションを渡す方法については、お使いのブートローダ (LILO や
loadlin など) の文書を参照してください。
メモリに関しては、 Linux ではうまく処理できない問題が他にもあります。
メモリがランダムに破壊される現象は、通常は重大なハードウェアトラブル
の兆候です。次のことを試してください。
* BIOS のメモリ設定を、最も保守的なタイミングに引き下げる。
* 冷却ファンを追加する。
* CPU をオーバークロックしない。
* メモリテスターでテストされたメモリ、もしくはベンダーに
交換してもらったメモリを使う。memtest86 を用いて自分で
テストすることを検討してください。
* CPU 、キャッシュ、あるいはマザーボードを、動作するものと
交換する。
* BIOS からキャッシュを無効にする。
* "mem=4M" というオプションをカーネルに渡して、Linux が
使うメモリを非常に少量に制限してみる。
その他の対処方法
* バグのある FPU を無視するよう、カーネルに "no-387"
オプションを渡してみる。
* お使いの CPU でバグの可能性のある HLT 命令を無効にする
ため、"no-hlt" オプションを渡してみる。
------------------------------------------------------------
翻訳団体: JF プロジェクト < >
最終更新日: 2004/04/11
翻訳者: 中谷 千絵 <jeanne(a)mbox.kyoto-inet.or.jp>
更新者: 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
Linux カーネル 3.x/2.6 付属文書一覧へ戻る