Linux Kernel 3.x/2.6 Documentation:
/usr/src/linux/Documentation/nbd.txt
nbd.txt
Network Block Device (TCP バージョン)
[プレインテキスト版]
- 原著作者: unknown
- 翻訳者: 野本 浩一 <hng(a)ps.ksky.ne.jp> 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
- バージョン: 2.6.5
- 翻訳日時: 2004/04/15
Network Block Device (TCP バージョン)
NBD とは:これをカーネルに組み込むと (またはモジュールとして使うと)、
Linux はリモートサーバをブロックデバイスの一つとして扱えるようになり
ます。したがって、クライアントコンピュータが、例えば /dev/nd0 を読み
出したい時はいつでも TCP でサーバへ要求を送り、サーバはデータ読出しの
応答をします。この方法は、ディスク領域の少ないステーション (あるいは
フロッピーからブートするならディスクレスでも) で、別のコンピュータの
ディスク領域を借用するのに利用できます。NFS とは異なり、その領域には
どんなファイルシステムでも置くことができます。(試したことはありません
が) NBD をルートファイルシステムとして使うこともできますが、起動する
ためには、初期 RAM ディスク内にユーザレベルプログラムが必要です。さらに、
ユーザランドでブロックデバイスを実行できます (物理的に同じコンピュータ
をサーバとクライアントとし、ループバックを使用して通信します)。
現状:現在動作します。NBD は安定しています。元々 TCP 上で swap はでき
ないと考えていました。しかし、それは真実でないことが判明しました。現在
TCP 上での swap は動作し、デッドロックも起きないようですが、このため
には Linux のネットワーク層に相当な量のパッチをあてる必要があります。
より多くの情報、nbd-client と nbd-server ツールのダウンロードについては、
を訪ねてください。
HOWTO:NBD のセットアップは、単純に下記のとおりにしてください。
最初に、リモートサーバ側で、デバイスもしくはファイルを提供します。
nbd-server <ポート番号> <クライアントに提供するデバイスまたはファイル>
例)
root@server1 # nbd-server 1234 /dev/sdb1
(TCP ポート 1234 で、パーティション sdb1 を提供する)
その後、ローカル (クライアント) システム側で、次のようにします。
nbd-client <サーバ名もしくは IP> <サーバポート番号> /dev/nb[0-n]
例)
root@client1 # nbd-client server1 1234 /dev/nb0
(クライアントで nb0 デバイスを作成する)
NBD カーネルモジュールのインストールが必要なのは、クライアントシステム
側だけです。というのも、nbd-server は完全にユーザ空間に存在するからです。
事実、nbd-server は、Windows を含む他のオペレーティングシステムへの移植に
成功しています。
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翻訳団体: JF プロジェクト < >
最終更新: 2004/04/15
翻訳者: 野本 浩一 <hng(a)ps.ksky.ne.jp>
校正: 中谷 千絵 <jeanne(a)mbox.kyoto-inet.or.jp>
堀田 倫英 <hotta(a)net-newbie.com>
更新: 川崎 貴彦 <takahiko(a)hakubi.co.jp>
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